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01-03 TCPとUDP


TCP及びUDPは、OSI7階層の第4層(以下L4)に位置するプロトコルで、L3に位置するIPの上位で稼働しているプロトコルだ。
TCP/IPとひとまとめで呼ばれる事が多いが、IPとTCPは目的が全く異なるプロトコルである。

TCPとUDPは、どちらもデーターを運ぶプロトコルであるが、その違いを一言表現すると、TCPは「確実にデータを届ける目的のプロトコル」で、UDPは「リアルタイム性を目的とするプロトコル」と言える。

TCPとUDPの違いを説明する前に、TCPとUDPのヘッダー構造を見ておこう。

[ TCPヘッダー ]

[ UDPヘッダー ]

各フィールドの説明は技術解説の章に譲るとして、ヘッダー構造の複雑さがまるで違うのが一目でおわかりであろう。

TCPヘッダーが複雑になっているのは、通信経路上でデーター破損してた場合等で再送が必要であったり、パケットが順番通りに到達しなかった時の組み立て情報など、データーを確実に送るための仕組みが組み込まれているからだ。

これに対しUDPは至ってシンプルな構造で、データー破損等による再送の仕組みもなく、ノードにも負担が少ないプロトコルだ。

メールやhttp、ftpといった「データーを確実に送る必要がある」通信にはTCPが使用される。
これに対して、ストリーミングやVoIPなど、パケットが少々欠落してもリアルタイム性を優先する通信に使用される。

TCPでは、通信開始時にはハンドシェークから始まり、正常にデーターが届いたかの確認や通信終了などデーター送信以外の通信もされているので、通信そのものオーバーヘッドがある。

これに対しUDPは、ハンドシェークなど無く、いきなりデーター通信から開始されるので、時刻同期で使用さるNTPや、DNS問合せなど、1パケットで処理が済む通信にも使用されている。

 

>> 01-04 ICMP

 

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