Home > IPv6実践導入ガイド > 02 IPv6の実装に必要な知識

02-04 名前解決


IPv4であれば、IPアドレスを暗記して、IPv4アドレスでpingをしたりすることは可能だが、IPv6は128ビットもあるIPアドレスなので、fe80::1や::1のような特殊用途のIPv6アドレス以外を暗記するのは悪夢のような話だ。
このため、IPv6ネットワークでは、IPv6アドレスを生で使用することはまずなく、名前解決に依存した運用にならざるを得ない。
IPv6をDNSにスタティックに登録するのもタイプミスが起きやすいので、LAN側で使用するDNSはDDNSを使用するのが望ましい。
DDNSであれば、新しくサーバーを追加した場合、正しくDNSを参照していればDNSに新しく設置したサーバーのIPv6アドレスが自動的に登録されるので、運用が楽になるだけではなくミスも起こりにくい。

 

IPv6とDNS

IPv4での名前解決に使用されるのは、Aリソース レコードであるのに対し、IPv6の名前解決にはAAAA(「クワッドA」と読む)リソース レコードが使用される。
AAAAリソース レコードには、ホスト名とIPv6アドレスが記録されている。

逆引きで使用されるPTRリソース レコードは、IPv6もそのままPTRが使用される。違いは格納されているアドレスがIPv6になっているだけだ。

リソース レコードはAAAAが拡張されただけだ。前方参照ゾーンはIPv4/IPv6の区別はなく、同一ゾーンにAとAAAAが混在することになる。
ところが、逆引き参照ゾーンとなると、IPv6のゾーン名はちょっとした悪夢だ。
IPv4アドレスが、「192.168.1.0/24」のネットワークであれば、IPv4の逆引き参照ゾーン名は、「1.168.192.in-addr.arpa」とネットワークIDを逆順にする。これはDNSが逆引き解決するためにDNSが構成するツリー構造を効率よく処理するための仕組みだ。

IPv6の場合も同様に逆順にする必要があるのだが、その際にプレフィックスを省略形ではなく、フル表現したものを1オクテット単位で逆順にするので、うんざりするようなゾーン名になってしまう。

たとえば、「2001:db8:101d::/48」のネットワークの場合は、「d.1.0.1.8.b.d.0.1.0.0.2.ip6.arpa」といった具合だ。

基本的に組織にで使用するGUAとULAはそれぞれ1つなので、LAN用内部用DNSと、インターネット公開用DNSのゾーン名を生成しなくてはならない。インターネット公開用DNSにはULAを登録しないのが一般的なので、内部用DNSに2つ、公開用DNSに1つの都合3つの逆引きゾーン名を作ることになる。
これは、IPv6を使用する際に避けては通れないので、諦めて逆引き参照ーン名を間違いなく作っていただきたい。

DNSの振舞で面白いのは、DNSに対してAAAAを問い合わせる際にIPv4を使用しても問題なくクエリ結果が返ってくる点である。
この特性を使用して、DHCPv4を使って参照DNSのIPv4アドレスを指定し、IPv4でIPv6ホストの名前解決するといった運用をする事も可能だ。

 

IPv6のhosts

IPv6でもhostsは現役だ。
hostsでIPv6アドレスの名前解決をするには、IPv4と同様にIPアドレスを記述する部分にIPv6アドレスを書くだけだ。
IPv6用のhostsファイルは存在していないので、hostsファイルにはIPv4とIPv6の定義の両方を混在させる事になる。

 

>> 02-05 IPv4 との共存

 

back.gif (1980 バイト)

home.gif (1907 バイト)

Copyright © MURA All rights reserved.