Home > IPv6実践導入ガイド > 01 IPv6とはどんな規格か
既に説明したように、IPv6はL3プロトコルである。つまり、L2以下しか使用していない機器は、上位がIPv4であろうがIPv6であろうがお構いなしという事だ。
厳密に言うと、L2プロトコルであるイーサネットでは、L3に乗っているプロトコルがなんであるかを識別する「Ether
Type」が存在している。
IPv4のEther Typeは0x0800(16進数の0800)、IPv6は0x86DDと異なった値がセットされる事になる。
イーサネットでは、Ether
Type値が違うだけで、イーサネットそのものに何ら変更が入るわけではない。つまり、設計時点からIPv6対応は想定仕様範囲内ということになるので、L2にイーサネットを使っている限りIPv6対応済みと言えるのだ。
L2以下で動作している機器を具体的にあげてみよう
・LANケーブル(L1)
・L2スイッチ(L2)
・無線LAN(L2)
意外と勘違いされているのが無線LANだ。無線アクセスポイントは有線LANと無線LANをブリッジしているだけだ。このため、無線アクセスポイントはIPv6対応となっていなくてもL2動作機器なのでIPv6パケットを中継する事ができる。
つまり、無線アクセスポイントの管理コンソールはIPv4でしかアクセスできないが、無線LANを使ったIPv6通信は問題なく出来るのだ。
ただし、ルーター(L3)機能を持った無線LANルーターは、ルーター部分がIPv6対応でないとIPv6パケットを扱う事が出来ない。
IPv6非対応の無線LANルーターであっても、ルーター機能をOFFに出来る機種であれば、ルーター機能をOFFにして無線アクセスポイントとして動作させればIPv6通信は可能になる。
L3より上位を使って機能している機器は、IPv6対応になっていないとIPv6通信をすることができない。
L3より上位で動作している物は数多くあるので、ぱっと思いつく範囲で例を挙げてみよう。
・OS
・IP通信をしているアプリケーション(Webブラウザー等)
・ルーター(無線LANルーターを含む)
・L3スイッチ
・プリンター
・VoIPアダプター
・NAS
・ファイアウオール
・スマートフォン
・ゲーム機
・ハードディスクレコーダー/TV(LAN接続している場合)
ここでは一般論としてIPv6の影響を解説しているが、実際の導入を考えると、ここでIPv6の影響をうける機器に該当していても、必ずしもIPv6対応をしなくてはならいと言うわけではない。
このあたりは、以降の章でで改めて解説をするので、実導入に必要なIPv6対応要否判定は、それらを読んだ後に総合的な判断していただきたい。
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