Azure VM のシステムストレージを拡張する

MCAS(Micrsoft Cloud App Security)のログコレクターを Azure 上に構築することにしたので、システム要件を確認すると以下のようになっていました。

OS	Ubuntu 14.04、16.04、および18.04 RHEL 7.2 以降 CentOS 7.2 以降
ディスク領域	250 GB
CPU	2
RAM	4 GB

Azure VM で Ubuntu 環境を作る場合、この要件を満たすのは Standard B2s なのですが、ストレージが 30 GB なので、ストレージ領域が足りません。
ログコレクターの構築手順を見ても、データストレージを追加しても使われない感じだし...

サポートに問い合わせると、データストレージを追加することを想定していないのでシステム領域を拡張する必要があると、手順が書いてある URL をもらったのですが、手順はデータストレージを拡張する手順なのでそのまま使え事ができないので試行錯誤して判明した手順を共有します。

Azure CLI のインストール

ストレージの拡張は、Azure CLI で操作するので、まずは Azure CLI のインストールです。

以下の URL にインストール方法が書いてあるので、お好みの方法で Azure CLI をインストールしてください。
僕は Windows 10 上で操作するので、MSI をダウンロードしてインストールしました。

Azure CLI のインストール
https://docs.microsoft.com/ja-jp/cli/azure/install-azure-cli?WT.mc_id=AZ-MVP-36880&view=azure-cli-latest

システムストレージの拡張

VM システムストレージ拡張は、作成済みの VM に対して Azure CLI で操作をします。

操作に必要なパラメーターは、リソースグループ名と仮想マシン名なので、この2つを控えておきます。

今回は以下を使用します

リソースグループ名	McasTest
VM 名	McasLogCollector

Azure へのログイン

Azure CLI での Azure ログインは「az login」コマンドを使用します。

「az login」コマンドを入力すると、Web ブラウザー開くので、そこで Azure にログインします。

VM の割り当てを解除

システムストレージを拡張する前に VM の割り当てを解除します。

VM は起動したままで構いません(シャットダウンするなと手順にはある)ので、VM が起動した状態で以下コマンドを入力します

az vm deallocate --resource-group リソースグループ名 --name VM名

拡張対象のディスク名の取得

ここから公開されている手順と異なります。

公開されている手順はデータストレージを対象にしているため、システムストレージの名前を表示することができません。

このため、リソースグループ内のディスクリスト全てを取得して、その中から対象となるディスクを探します。

ディスクリストは json 形式で帰ってくるので、PowerShell で扱うのがお勧めです。

[Array]$Disks = az disk list --resource-group リソースグループ名 | ConvertFrom-Json

ディスク名には VM 名が含まれるので、以下のようにして対象のディスク名とサイズを表示します。

$Disks | ? name -Match "VM 名" | Format-Table name, diskSizeGb

ストレージ領域拡張

ストレージの領域拡張は、以下のようにします。

az disk update --resource-group リソースグループ名 --name ディスク名 --size-gb 領域サイズ

拡張が完了すると diskSizeGb に拡張後のストレージサイズが表示されます。

VM 起動

ストレージが拡張出来たら VM を起動します(Web UI で起動しても構いません)

az vm start --resource-group リソースグループ名 --name VM名

ログアウト

操作が完了したら az loggout でログアウトします

拡張前後のサイズ比較

拡張前後のディスクサイズを df -h で比較してみましょう。
無事拡張されていますね。

拡張前

拡張後