座敷わらし
夏の日の午後。 体がだるくて、布団に横になった。 頭の上のレースのカーテンが少し揺れるくらいの風が心地好い。 すぅーっと眠りに落ちてしまった。 短い時間で熟睡したあとの感覚でふっと目が覚めた。 体が動かない。 あぁ、頭ははっきりしてるのに、まだからだが寝てるんだ。 じゃあもう少し眠ろう。 金縛りにも動じなくなっていたから、そのまま目を閉じた。 昼の日中だし、怖くない。 そう思っていたら、キッチンの方から小さな足音が・・ それも4、5人の3才くらいの子供の駆けてくる音。 えっ・・・と思う間もなく首の上をぱたぱたと何かが通り過ぎた。 と、思ったらまた今度は戻ってきてキッチンの方へ走り去っていった。 当分そのまま目もつぶらないで、天井を見ていた。 なんだったの? それっきり、足音はしなかった。 大和市のこの家に引っ越してきてから、ときどきキッチンで子供の気配を感じていた。 でもその子はもう少し大きい。 その夜、夫にその話をしたら、「そりゃ、座敷わらしだね。」と事も無げに言われた。 |