Windows Server 2012 の DirectAccess はウィザードでお手軽に構築できるのですが、DirectAccess Server が、IPv4/IPv6 デュアルスタックで、IPv4 環境から DirectAccess 接続していると、「職場の接続」が「接続中」のままになったままになり、「接続済み」にならない事があります。
DirectAccess 自体の通信は出来ているのですが、「接続済み」にならないのが気持ち悪いので、この部分のチェック要件をまとめてみました。
ミソは、「企業リソース」で指定している Web Server と、「ドメインの場所を特定する URL の指定」で指定している Web Server が別物である点です。これが同一だとうまく「接続済み」になりません。
その理由は「職場の接続が「接続済み」と判定される条件」にあるように、DirectAccess 経由でのアクセスチェックと
DirectAccess を使わないアクセスチェックで接続済み判定をしているからです。
つまり、「企業リソース」(directaccess-WebProbeHost)に DirectAccess
経由でアクセスが可能で、「ドメインの場所を特定する URL の指定」を DirectAccess
を使わずにアクセスして、アクセス不能であことを判断条件としているからです。
Windows Update をしていれば、これは対処済みのはずですが、KB2769240 として修正プログラムが出ています。
< DirectAccess クライアント Windows 8 または Windows Server 2012
で企業ネットワークに接続できません。>
http://support.microsoft.com/kb/2769240
ISP提供のキャッシュ DNS を使用して以下の条件が満たされると、LAN 環境ではなく、インターネット環境に DirectAccess クライアントが置かれていると判定します。
< IPv4 環境から接続している場合 >
(1) | http://www.msftncsi.com/ncsi.txt にアクセスし、「Microsoft
NCSI」が返される |
(2) | dns.msftncsi.com の名前解決結果として、131.107.255.255 が返る |
(3) | 社内ネットワークと直接通信が出来ない |
< IPv4 / IPv6 デュアルスタック環境から接続している場合 >
(1) | http://ipv6.msftncsi.com/ncsi.txt にアクセスし、「Microsoft
NCSI」が返される |
(2) | dns.msftncsi.com の名前解決結果として、fd3e:4f5a:5b81::1 が返る |
(3) | 社内ネットワークと直接通信が出来ない |
ドメインコントローラーが持っている DNS で、以下の条件が満たされると、DirectAccess が接続済みであると判定します。
< IPv4 シングルスタック環境で運用している場合 >
(1) | directaccess-corpConnectivityHost にループバックである
A/127.0.0.1、AAAA/64:ff9b::127.0.0.1(NAT64)が登録されている ちなみに、64:ff9b::127.0.0.1 と入力できますが、AAAA は 64:ff9b::7f00:1 となります |
(2) | directaccess-webProbeHost が LAN
上に構築されており、インターネット側から直接アクセスできない Web サーバーの IPv4 アドレスが A に登録されている |
(3) | directaccess-webProbeHost がインターネットからアクセスできないLAN 上からアクセスできない Web サーバーの IPv4 アドレスが DNS の A に登録されており、GPO の[企業リソース]に登録されている |
(1) IPv4ループバック
(1) NAT64のループバック
(1) NAT64のループバックで実際に登録される IPv6 アドレス
(2) LAN上に実在する Web Server IPv4 アドレス
< IPv4/IPv6 デュアルタック環境で運用している場合 >
(1) | directaccess-corpConnectivityHost にループバックである
A/127.0.0.1、AAAA/64:ff9b::127.0.0.1(NAT64)、AAAA/::1 が登録されている(理論的には ::1
だけ登録されていれば良いはず) |
(2) | directaccess-webProbeHost が LAN
上に構築されており、インターネット側から直接アクセスできない Web サーバーの IPv4/IPv6 アドレスが A/AAAA に登録されている |
(3) | directaccess-webProbeHost がインターネットからアクセスできないLAN 上からアクセスできない Web サーバーの IPv4 アドレスが DNS の A/AAAA に登録されており、GPO の[企業リソース]に登録されている。 |
(1) IPv6 のループバック
(2) LAN上に実在する Web Server IPv6 アドレス(GUA)
(2) LAN上に実在する Web Server IPv6 アドレス(ULA)
対象となる GPO 名「DirectAccess クライアントの設定」
(1) | ドメインの場所を特定する URL の指定 [コンピューターの構成]-[ポリシー]-[管理用テンプレート]-[ネットワーク]-[ネットワーク接続状態インジケーター] - [ドメインの場所を特定する URL の指定] にインターネット上からアクセスできない Web サーバーの URL(https)が登録されおり、DA Client から https 通信が出来る様に構成されている (デフォルトでは、「nls.ドメイン名」ですが、僕は意図的に LAN 上に存在する物理サーバーに IIS を立てて SSL 証明書を入れています) |
(2) | 企業 DNS プローブ ホスト名の指定 上記の所にある[企業 DNS プローブ ホスト名の指定]に「directaccess-corpConnectivityHost.ドメイン名」が登録されている |
(3) | 企業 DNS プローブ ホスト アドレスの指定 上記の所にある[企業 DNS プローブ ホスト アドレスの指定]にループバックが設定されている |
(4) | 企業 Web サイト プローブ URL の指定 上記の所にある[企業 Web サイト プローブ URL の指定]に「http://directaccess-WebProbeHost.ドメイン名」が設定されている |
(5) | 企業リソース [コンピューターの構成]-[ポリシー]-[管理用テンプレート]-[ネットワーク]-[DirectAccess クライアント エクスペリエンスの設定]-[企業リソース] に「HTTP:http://directaccess-WebProbeHost.ドメイン名」が登録されている。 |
(1) ドメインの場所を特定する URL の指定
(2) 企業 DNS プローブ ホスト名の指定
(3) 企業 DNS プローブ ホスト アドレスの指定
(4) 企業 Web サイト プローブ URL の指定
(5) 企業リソース
インターネットから DirectAccess 接続した際に、以下の条件が満たされると、「職場の接続」が「接続済み」と判定されます。
(1) | DirectAccess クライアントが LAN 上ではなくインターネット上に位置していると判断され、DirectAccess 接続が発動 |
(2) | 「ドメインの場所を特定する URL の指定」に対してアクセスできない(直接通信) |
(3) | 「企業リソース」(directaccess-WebProbeHost)に対してアクセスが出来る(DirectAccess 経由通信) |
これを実現するためには、DirectAccess の設定で「ドメインの場所を特定する URL の指定」に設定する Server は、DirectAccess 対象外にしておく必要があります。
「ドメインの場所を特定する URL の指定」に指定する Server は DirectAccess 対象外に
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