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手早く自炊(書籍/雑誌のPDF化)する


Windows ネタではないのですが、書棚からあふれた書籍/雑誌を何とかしようと自炊(紙から PDF 変換)を始めたので、どんな感じで自炊しているのか書いておきます。

300ページ程度の本で、裁断開始から見開き調整完了までで15-20分程度です。

品質より、「手早く」を重視していますので、少々ページが斜めにスキャニングされようが、裏写りしようが実用に支障がなければそのままってノリですw

品質重視の方は「自炊 品質」をキーワードに検索すると色々情報が出てきますので、そちらを参考にしてくださいね。

 

用意するもの

● 裁断機

カッターナイフで背を切り取っても良いのですが、時間がかかるので、手早く自炊するのなら裁断機は必需品ですね。
僕は一度に切れる厚み重視で、「漫画をスキャナで電子書籍化する初心者向け自炊解説サイト」を参考に「PT6176」にしました。

● ドキュメントスキャナー

ASF付きの複合機でも自炊できますが、手早く重視なら専用機が絶対お勧めです。
僕は Canon の「DR-C125」にしました。

● 定規

切断位置を決めたり、ページサイズを測るのに必需品です。30cm 以上の物を準備してください。

● ペン

裁断位置の線を引くのに使います。ボールペンとかサインペンでも良いのですが、カバー切断の位置決めにも使いますので消せる鉛筆とかシャープペンシルが良いかもしれません。

● エアダスター

切り粉等でスキャナー内部が汚れますので、エアダスターで紙粉を吹き飛ばします。

● カッターナイフ

あまり出番はありませんが、厚すぎて裁断機に入らない場合の事前分解に使います。

● MS-Office 2010 or 2007

見開き調整用に白紙を挟むので、指定サイズの PDF を作るのに使用します。
指定サイズの白紙 PDF が作れるのなら何でも良いのですが、MS-Office 2010 が手早く白紙 PDF を作れるので、僕は Office 2010 を使っています。
DR-C125 付属の eCopy PDF Pro Office でも白紙 PDF 作れますので、MS-Office が必需品ってわけでありません。

● 作業台

DR-C125 は場所を取らないのですが、裁断機がデカいので、裁断機とドキュメントスキャナーの両方を置くのなら 800×700mm より大きな作業台がほしいところです。
重量もあるので出し入れは厳しいかも... 作業台に置きっぱなしって運用が現実的でしょう。

 

裁断

ドキュメントスキャナーに書籍/雑誌を読ませるには、背を切り離してページをバラバラする必要があります。

● カバーの裁断

iPad 等のスレート PC 用の電子書籍リーダーには表紙を一覧表示してくれるものがありますので、カバーをスキャンしておくと見栄えが良いです。
手早くがコンセプトなので、カバーの裁断は1か所だけにします。

この位置でカバーを切ります
この位置だと背表紙もスキャン出来きますが、あまりにも厚い本だと横幅がスキャナーに入りきらなくなるので、その時は背表紙は切り取ります
切断位置をペンで線を引いていると裁断する時に楽です
裁断機でも切断できますが、金定規とカッターナイフで切って良いかも
糊付け状態を見て、背の切り離し位置を決めます。だいたい 5mm 程度が良いようです
あまりギリギリにすると、糊が残ってしまい、重送やヘッドの汚れになります(糊で読み取りヘッドが汚れたら、眼鏡ふき等でふき取ります)
直角が出ていない本もあるので、裁断機のガイドは過信しない方が良いかもです
表紙と裏表紙に近い所は糊が多めに乗っているので、くっついていたら手で引き離します。    

 

スキャニング

背表紙を切り取ったら、スキャニングです。
カバーの表側 → 本編 → カバーの裏側の順番でスキャンします。

下側にある排紙レバーを下に倒し、上にある給紙レバーを上に上げます
こうすると、カバーの折り返しごとスキャンできます
給紙レバーを上に上げると、給紙切り替え表示がオレンジ色になります
背の部分をできるだけ平たくなるようのばしてカバー表側をセットします 手早くが身上なので、「お任せスキャン」モードでカバーをスキャンします
排紙レバーが下がっているので、下に排紙されます
レバーを元の位置に戻します 給紙切り替え表示が黒色になります
本編をセットして「お任せスキャン」モードで追加スキャンします
セットする量は30-50枚程度で、ガイドレールに余裕がある程度にしておきます
1-2分で読みきるので、残りを順番に給紙して全部ページをスキャンします
カバーをスキャンした時と同じレバー位置にします
カバー裏側をスキャン    

DR-C125 は、接続している PC の性能依存なのか、ある程度以上の枚数を一気にスキャンすると、途中で引っかかる様な動作(少し読んだところで一息ついて、続きを読む)をします。
ちなみに拙宅の環境(CPU:Core i7-2600S, RAM:16GB OS:Windows 7 Ultimate x64)だと、1,000ページあたりで息切れするようです。
こんな時は、途中までスキャンしたデーターを PDF に出力して、後で結合します。

 

PDF 出力

スキャニングが終わったら、DR-C125 CaptureOnTouch に読み込まれているので、こいつを PDF に出力します。

右下にある「次へ進む」 基本的にデフォルトのままで良いのですが、一応 PDF の形式を確認しておきましょう。一度設定すると、設定が記憶されますので、一度設定するだけで良いです
設定はこんな感じです 保存
OCRとかの処理がここでしているようで、少々時間がかかります
出力が完了したらトップ画面に戻る    

 

見開き調整用白紙 PDF の作成

PDF リーダーで読む時は、見開きで読む想定なので、表紙の後ろに白紙を入れないと見開きが合いません。このため見開き調整用の白紙 PDF を1枚作っておいて見開き調整で差し込みます。DR-C125 は、デフォルトで白紙をスキップする機能が ON になっているので、見開きが狂っている時もこの 白紙PDF で調整します。

[ページレイアウト]-[サイズ]をプルダウン 一番下にある「その他の用紙サイズ」を選択
裁断したページサイズを測り、幅と高さを設定 PDF 出力
白紙 PDF は使い捨てなので、上書きで OK
PDF 出力後に eCopy PDF Pro Office が起動したらそのまま閉じます
   

 

見開き調整

本物の本を読むのと同じようにするには、表紙の後ろに白紙を入れて見開き調整をする必要があります。
また、白紙が読み飛ばされて見開きが狂っている時も白紙を挟みます。
調整は、DR-C125 のオマケに入っている eCopy PDF Pro Office で編集します。

下にある「ページに合わせる」と「見開き」にすると、見開き表示されます ページ操作をする場合は、一旦「単一ページ」にします
白紙を入れる直前のページを表示し、[ドキュメント]-[ページ]-[他のファイルから挿入] 先ほど作った白紙 PDF を選択
白紙ページを挿入 再度「見開き」に
白紙ページ(左)が挿入され、本物の本と同様になりました    

あとは見開き状態のまま「下矢印を5回」押して、左側のページ下1桁が 0 → (2 → 4 → 6 → 8 →) 0 と変わるのを確認して、ページ抜けと見開きをチェックします。

OK であれば、保存して PDF 化は終了です。

保存して終了    

ページ数にもよりますが、裁断開始から見開き調整完了でだいたい 15-30分の作業です。手馴れてくると、スキャンしている間に別の本を裁断したり、見開き調整をしている間にスキャンしたりと時間短縮も可能です。

手早くがコンセプトなので、少々斜めになっていてお構いなしです。少しでも斜めになっているのが許せないとかで再スキャンしていたら時間がいくらあっても足りません。

僕は DR-C125 のお任せスキャンで読ませていますが、色々細かな設定も可能です。時間と手間をかけてでも品質を確保したいといった要求にも結構頑張ってくれますので、お時間のある方はそちらにも挑戦してみてください。

 

ページ差し替え、回転修正、右綴じ

糊が残っていて重送されたとか、あまりにもひどく斜めになっているとか、しわになってしまったとかの場合は、該当ページを再スキャンし、不要ページを削除して、白紙の挟み込みと同じ要領でページの差し替えをします。

DR-C128 は文字の向きを見て天地を決めているので、意図しない回転が入っている場合は回転修正もできます。

コンピューター系の本は左綴じですが、小説などは右綴じになっているので、その場合はプロパティ変更をします。

● ページ削除

削除するページを「単一ページ」で表示し、[ドキュメント]-[ページ]-[削除] 現在のページを削除

回転修正

回転修正をするページを「単一ページ」で表示し、[ドキュメント]-[ページ]-[回転] 回転角度を設定し、「現在のページ」

右綴じ対応

[ドキュメント]-[ドキュメントのプロパティ] 右エッジに変更
ついでに「日本語」にしておきましょう    

 

ステップル(ホッチキス)綴じ雑誌の場合

ステップル綴じ雑誌の場合、閉じた状態で端が合うように作られているので、中心に行くほどページ幅が狭くなっています。このため裁断とスキャニング時に一工夫が必要なんですよね(その分ちょっと手間です)。

用意するもの

・ ダブルクリップ2つか3つ
・ ペンチ or ステップル外し(両方あった方が良いかも)
・ 滑り止めの指サック(紙の種類によっては必需品)

センターがずれないように固定する

裁断する前に、センターがずれないようにダブルクリップで止めます。
基本的には 長辺2か所で良いのですが、短辺も止めて3か所止めにすると安心かもしれませんね。

綴じ部分を中心に広げ、ダブルクリップで2-3か所止めます
この時に、ダブルクリップで止める長辺側を少し折り返すとダブルクリップで止めやすいです
   

ステップルを取り外して裁断

ダブルクリップでセンターを固定した状態で、ペンチかステップル外しを使ってステップルを取り外します。
この時にセンターがずれると、せっかくのセンター決めが無駄になってしまうので注意です。

ステップルを取り外したらセンター(ステップルが刺さっていた位置)から切り離します。

切り離しした後に各ページを一度全部めくって角折れ(ドッグイヤー)とか、応募ハガキとかが入っていないかをチェックします。(この時に滑り止め指サックをしていると効率が良いです)
ページを一度めくる事で、密着していてる紙がほどけるので、重送軽減にもなります。

表紙のスキャン

表紙は本編より表紙の紙が固いの事が多いので、紙質が本編と違う場合は、カバーと同じ要領で表紙だけを先にスキャンします。

本編のスキャン

ステップル綴じ雑誌の場合、中心部のページほど幅が狭くなりますので、一気にスキャンすると斜めになったりジャムったりしやすくなります。
5-10枚くらいの小分けにして、ガイド幅を調整しながらスキャンするのがコツです。

紙質にもよりますが、光沢で薄い紙の雑誌はほぼ確実に重送が必ず起きますが、お構いなしにスキャンしてください。(都度再スキャンすると、逆に調整が面倒になります)
重送ページは、見開きチェック時に追加スキャンして差し込みします。

裏表紙のスキャンと PDF 出力

表紙と同様に裏表紙をスキャンし、PDF に出力します。

見開き調整と、重送ページの補正

表紙の直後に白紙を入れて見開き調整します。
見開きチェックで重送ページを発見したら、その部分だけ再スキャンし、差し込みます。

ステップル綴じの雑誌は、糊付けの書籍/雑誌より手間がかかりますが、センター(ステップル位置)をうまく裁断すればカール部分もほとんど出ないので、センターを如何に正確に裁断するかが勝負です。

運悪くセンターを大きく外してしまった場合は、端を揃えて背を再度裁断すればスキャンしやすくなります。雑誌のデザインによっては、少し不恰好になっちゃいますけど... (一冊やっちゃったのはナイショですw)

 

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